中国 銀行の不良債権比率が高水準に(2月14日 8時38分)
中国政府は、国内の景気が減速するなか、銀行の不良債権比率が去年末の時点で1.25%となり、年ごとの統計では5年ぶりの高い水準になったことを明らかにしました。
中国の銀行監督当局によりますと、国内の銀行が保有する不良債権の総額は去年末の時点で8426億人民元、日本円で16兆円余りで、1年前と比べて42%増えました。この結果、銀行の貸し出しに占める不良債権の割合、不良債権比率は去年末時点で1.25%となり、1年前と比べて0.25ポイント上昇したということです。
上昇幅は、過去10年で最も大きく、不良債権比率は年ごとの統計では5年ぶりの高い水準になりました。
これは、中国経済が減速するなか、製造業など、銀行の融資先である企業の経営が厳しさを増しているためだとみられています。
中国政府は、「銀行業界は全体としてリスクに対応する力が比較的強い」と説明しています。
ただ、金融関係者の間では、中国政府が公表する不良債権は日本などと比べて審査基準が甘く実際の比率はこの数倍に上るのではないかという指摘も出ていて、中国政府は、景気の先行きに不透明感が出るなか難しいかじ取りを迫られています。