安保理「イスラム国」の資金源絶つ決議へ(2月10日 11時41分)
国連の安全保障理事会では、イスラム過激派組織「イスラム国」の資金源を絶つため、石油の違法な取り引きを封じ込め、人質と引き換えに身代金の支払いに応じないことなどを求める決議案が、近く採決にかけられる見通しとなりました。
この決議案は、先週ロシアが安保理に提出したもので、「イスラム国」などの過激派組織が、シリアやイラクの支配地域にある油田からの収入や文化財の密売、それに人質と引き換えに要求する身代金などによって多くの資金を得ていることに強い懸念を表明しています。
そのうえで、国際社会が協力して、過激派組織に利益をもたらす石油の取り引きを封じ込めるため取締りを徹底し、違反者には制裁も検討することや、過激派組織が人質と引き換えに要求する身代金の支払いに応じないことなどを求めています。
安保理ではこれまでも、「イスラム国」への国際的な包囲網を強める決議が数回にわたって採択されていますが、今回の決議案は包括的に資金源を絶つことを目指しています。
ロシアは今週中の採決に向けて安保理各国に働きかけていて、欧米からも反対意見が上がっていないことから、決議は近く採択されるものとみられます。