NASA=アメリカ航空宇宙局は、8年前に打ち上げた無人の探査機が、火星と木星の間にある準惑星「ケレス」を回る軌道に入ったと発表し、今後の観測を通して、太陽系の成り立ちの解明につながる手がかりが得られると期待されています。
NASAによりますと、2007年に打ち上げた無人探査機「ドーン」は、およそ49億キロを旅して、6日、火星と木星の間に広がる小惑星帯にある準惑星ケレスに近づき、ケレスの重力に引き寄せられて無事周回軌道に入りました。
ケレスは、数十万個の小惑星が漂う小惑星帯の中では最大の天体ですが、直径およそ950キロと地球の13分の1しかなく、太陽系が誕生した46億年前に惑星に成長しきれなかったものとみられており、詳しく調べることで、太陽系の成り立ちを解明する手がかりが得られると考えられています。
ドーンがケレスに接近する途中で撮影した画像には、ケレスの表面に、白く輝いて見える点が見つかって研究者の間で大きな話題となっていて、NASAは今後の観測を通して、この「謎の点」の解明も目指すことにしています。
ドーンは、来年の夏ごろまでケレスの観測を続け、搭載された観測機器で表面の詳しい様子や内部の構造、成分などを詳しく調べる計画で、その成果が注目されています。