東京電力福島第一原子力発電所で汚染水が排水路を通じて海に流出していた問題で、東京電力は、今後、外部に影響を与えるおそれがあるすべての放射性物質のデータを速やかに公表することを決め、外部の専門家による新たな組織を設けて、情報公開の仕組み作りや今回の問題の調査を進めることになりました。
この問題は、福島第一原発2号機の屋上の一部にたまった汚染された雨水が排水路を通じて海に流れ出していたもので、東京電力は、去年4月以降、問題の排水路の放射性物質の濃度が雨のたびに上がっていることを把握していましたが、公表せず、地元から強い批判の声が上がっていました。
このため東京電力は、6日の取締役会で対応を協議した結果、敷地内の汚染された水や、空気中のダストに含まれる放射性物質の濃度など、これまで必ずしも公表されていなかった外部に影響を与えるおそれがあるすべてのデータについて、放射線のレベルにかかわらず原則として速やかに公表することを決めました。
そのうえで、外部の専門家による新たな組織を設け、今回の問題で情報が公開されなかった経緯などを調べるとともに、公開すべきデータの範囲など、情報公開の仕組み作りを進めていくとしています。
また、東京電力は、今回の問題の調査結果を今月中にまとめて公表するとともに、情報公開の状況を定期的にチェックする組織も設けるなど、信頼回復に向けた取り組みを進めていきたいとしています。