イラクの政府軍は、過激派組織IS=イスラミックステートが重要な拠点とする北部の都市ティクリットの奪還を目指して大規模な軍事作戦を始め、IS側と激しい戦闘になっています。
イラク政府軍は2日、過激派組織ISが重要な拠点としている北部の都市ティクリットの奪還を目指して大規模な軍事作戦を開始し、作戦にはイスラム教シーア派の義勇兵や、ISと同じ宗派であるスンニ派の民兵も一部参加しています。
政府軍側は、ティクリットの市街地に進入しようとしていますが、IS側は待ち伏せ攻撃や自爆攻撃などで反撃しており、激しい戦闘になっています。
こうしたなか、ISは2日、ティクリットの住民4人を「イラク軍に内通していた」として射殺する映像を、新たにインターネット上に投稿しました。スンニ派が人口の大半を占めるティクリットでは、シーア派が主導した前のマリキ政権に対する反発からISに加担する住民が多く、イラク政府は軍事作戦に合わせて「武器を捨てれば罪には問わない」として、ISから離反するよう呼びかけています。
このためISは、ティクリットの住民たちに恐怖を感じさせて離反を食い止めようと、今回の射殺映像を投稿したものとみられ、支配地域の引き締めに躍起になっていることがうかがえます。