章4-第7

章4-第7

 

聴:

 

 

アマガエルが鳴く理由

 

むかしむかし、アマガエルのお母さんは、自分の息子がとてもヘソ曲がりな事をとても心配していました。

 そこで何度も何度も注意しましたが、息子のヘソ曲がりは一向に直りません。
 やがて、お母さんが年を取って息を引きとる時、お母さんはヘソ曲がりな息子を呼んで、こう言いました。
「息子や、お前に最後の頼みがあります。どうか、わたしのお墓は、川端の低い所に粗末な物をつくっておくれ」
 こう言っておけば、へそ曲がりな息子は、反対に丘の上に立派なお墓を作るに違いないと考えたのです。
 そして次の日、お母さんガエルは死んでしまいました。
「お母さん、いつもへそ曲がりで苦労をかけてごめんな」
 さすがのへそ曲がりも、母親の遺言には、いつものように逆らう気にはなれませんでした。
 そこで言われた通りに、川端の低い所に粗末なお母さんの墓を作ったのです。
 でも、こんな所にお墓を作っては、ちょっと雨が降って川の水かさが増しただけでも、流されてしまうかもしれません。
 そこで心配した息子は、雲行きがあやしくなると、
♪ケロケロッ ケロケロッ
♪ケロケロッ ケロケロッ
と、鳴いて、
「天の神さま、どうか、お母さんの墓を流さないでください」
と、天の神さまにお願いしたそうです。

 この時からアマガエルは、雲行きあやしくなると鳴くようになったのです。

 

おしまい

 

ふりがな

 

聴: 

 

 

アマガエルが鳴く理由

 

むかしむかし、アマガエルのおかあさんは、自分じぶん息子むすこがとてもヘソがりなことをとても心配しんぱいしていました。
 そこで
なんなん注意ちゅういしましたが、息子むすこのヘソがりは一向いっこうなおりません。
 やがて、お
かあさんがとしっていききとるとき、おかあさんはヘソがりな息子むすこんで、こういました。
息子むすこや、おまえ最後さいごたのみがあります。どうか、わたしのおはかは、川端かわばたひくところ粗末そまつものをつくっておくれ」
 こう
っておけば、へそがりな息子むすこは、反対はんたいおかうえ立派りっぱなおはかつくるにちがいないとかんがえたのです。
 そして
つぎ、おかあさんガエルはんでしまいました。
「お
かあさん、いつもへそがりで苦労くろうをかけてごめんな」
 さすがのへそ
がりも、母親ははおや遺言ゆいごんには、いつものようにさからうにはなれませんでした。
 そこで
われたとおりに、川端かわばたひくところ粗末そまつなおかあさんのはかつくったのです。
 でも、こんな
しょにおはかつくっては、ちょっとあめってかわみずかさがしただけでも、ながされてしまうかもしれません。
 そこで
心配しんぱいした息子むすこは、雲行くもゆきがあやしくなると、
♪ケロケロッ ケロケロッ
♪ケロケロッ ケロケロッ
と、
いて、
てんかみさま、どうか、おかあさんのはかながさないでください」
と、
てんかみさまにおねがいしたそうです。

 この
ときからアマガエルは、雲行くもゆきあやしくなるとくようになったのです。
 

おしまい

 
 

 
 
 
 
 
 
 
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